もともとQuest2でVRChat をやってたけど、Pico4 でVRChatを1か月プレイしてみたよ。Quest2と比べて感じたメリットデメリットをレビューするね
はじめに
この記事ではVRChat で使用するうえで気になった点のみ、記載します。Quest2とPico4 のハードウェア的な比較やカタログスペックの比較はすでに良い記事を書かれてる方がいますのでこちらを参照ください。
(前提)VRChat での利用方法
私の場合は下記の環境で、Quest2とPico4を利用しています。この前提での比較になります。
PCのOS | Windows10 |
CPU | Corei5-12600k |
GPU | RTX3060 |
HMD⇔PCの接続方法 | Virtual Desktop |
フルトラデバイス | HaritoraX |
HMDとPCとの接続は「VirtualDesktop」というソフトを利用しています。VirtualDesktopの利用方法はこちらの記事を参考に設定しています。
Pico4のメリット
Pico4 のQuest2と比べてわかったメリットは3点です。
- 重量バランスが良好で顔に負担を感じづらい
- HMDのすぐ近くでもトラッキングが切れない
- 画質がきれい
つけ心地がいい
Pico4 はバッテリーが後ろについているため、前面に重さが集中せずQuest2より付け心地は快適です。あまりバンドの締め付けをつよくしなくても安定しやすいです。Quest2だと映像がはっきり見える場所を探してしっかり固定する必要がありましたが、適当にポンっと被っても像がぼやけてることも少なく、Quest2よりも気軽にかぶりやすい印象です。
HMDの近くでもトラッキングが切れない
VRChatをやってると、ヘッドセットとコントローラーが近い場面は多いと思います。Quest2だとそういった場面でコントローラーのトラッキングを失うことが多々ありますが、Pico4 では全くトラッキングを失いません。頭にAttach to me でオブジェクトをつけたり、ガチ恋距離に近づいてきたフレンドの顔を触るときなど、ヘッドセットの近くにコントローラーを持ってくる場面は多いと思いますので、ぶいちゃユーザーにこの恩恵は大きいかと思います。
画質がきれい
Pico4はQuest2と比べて画質が良いと感じます。下記の3点で画質が良いように感じます。
- VirtualDesktopでGodLike設定が選べる
- レンズ内の不自然な光の反射が少ない
- 近くのものが見えやすい
あきけんは、GodLike の画質を体験したくてPico4を買ってみたけど、おおむね満足です!
VirtualDesktopでGodLike設定が選べる
VirtualDesktop設定項目は、Quest2もPico4もほとんど同じです。しかし、画質設定に関してはPico4のみ選択可能なGodLikeという設定項目があります。グラボが映像を生成する際のレンダリング解像度が高めになる設定です。私の環境では、片目当たりのレンダリング解像度が3120 x 3120 になりました。その分グラボの負荷は激しくなりカクツキは起きやすくなりますが、クリアな視界になります。
VRChat上でHMDを介して視力検査ができるワールド「"VR Vision Test Lab"」にて画質の差を確認してみました。その結果は下記の表のとおりです。Quest2はGodLike の設定を選べないので、画質設定の選択肢の中で最も画質が良い Ultra 設定で確認しています。なお、どちらのHMDでもSteamVRのSS設定は100%で比較しています。100%にしても200%にしても私の目には違いがよくわからなかったからです。この辺は皆さんのリアルアバターの視力によって感じ方は変わると思います。
Pico4 (GodLike) | Quest2 (Ultra) | |
見えたLv | Lv.22 | Lv20 |
なお、GodLike設定を利用する場合は RTX4090やRX7900XTX などの最強グラボの利用が推奨されています。私の環境はRTX3060なので明らかにパワー不足で簡単にfps が低下します。一人でホームワールドに立ってるだけなら80fpsを維持できますが、一人でもフレンドが現れると60fps前後になり、人が増えるとどんどんfps が落ちて15fpsぐらいになることがよくあります。この状態でプレイした結果のfps計測結果は下記記事にまとめます。
レンズ内の不自然な光の反射が少ない
Quest2はフルネルレンズというレンズを採用しており、明暗差が激しいときに、レンズ内で不自然な光の反射が発生します。綺麗なワールドにいる時に気になってしまう現象です。対して、Pico4はパンケーキレンズというレンズを採用しており、同様の明暗差が激しい場面でも、レンズ内の光の反射は少ないです。ただし、全くないわけではないので、ちょっとマシという程度です。
近くのものが見えやすい
Quest2よりPico4のほうがレンズ部分が大きいです。おそらくこの特徴によるものだとおもいますが、Pico4は近くのものを見るときに自然な見え方に感じます。ぶいちゃだと近くのものをまじまじと見ることってよくあると思います。なので、この点はぶいちゃユーザーには嬉しいと思います。下記のYoutuberさんの動画でも触れられている特徴ですね。
ガチ恋距離でイチャイチャするときに良さそうな特徴ね!
Pico4のデメリット
Pico4 のQuest2と比べて私が感じたデメリットは3点です。
- VR飲みがしづらい
- 周辺機器が入手しづらい
- ソフトウェア面でまだ不安あり
VR飲みがしづらい
コントローラーがデカくて重い
Quest2のコントローラーは小さくて手にすっぽり収まりますが、Pico4のコントローラーはちょっと大きくて重いです。手に固定するようなグリップをつけたとしても重さと大きさが気になります。VRのみをする際、Quest2だとコントローラーと一緒にビール缶を持つのが簡単でしたが、Pico4のコントローラーは大きいためビール缶を持ちづらいです。また、Quest2はVirtualDesktopを介したハンドトラッキングができますがPico4はできないので、必ずその大きなコントローラーを持ち続ける必要がありVRのみは少しやりづらいです。
鼻部分の隙間が狭い
Quest2よりも鼻部分の隙間が狭いです。顔の形次第なので人によって感じ方は違うと思いますが、Picor4はリアル世界の手元が見えにくいです。VR飲みをしてるときだと手元にあるお酒がどこにあるか探すのに手間取ります。そして、ぶつけます。ふっとびます。
Pico4を使うようになって、つまみやビールを床にまき散らす事故が増えました。。。
がっしゃーん!
販売されてる周辺機器が少ない(過去の話)
Quest2は販売開始されてから2年経っていることもあり、周辺機器がAmazonやYodobashiなどで多数用意されています。しかし、Pico4は発売されたばかりということもあり周辺機器がほとんど発売されていません。例えば、Pico4は顔に触れる部分のクッションが少し固く、柔らかいクッションに付け替えようとおもっても、AmazonやYodobashiなど日本の一般的なECサイトでは2023年1月時点ではPico4用の製品が販売されていません。海外ECなどから輸入することで購入可能ですが、ハードルが高いと思います。私はAMVRというブランドの全文英語のサイトから、フェイスクッションなどの周辺機器を購入しています。
【2024年2月28日追記】
記事を書いてから、1年が経過し付属品も入手しやすくなりました。実際に買って試したアクセサリーを下記の記事に書きました。
ソフトウェア面でまだ不安あり(過去形)
Pico4 は発売当初に言われていた様々な問題がOSのバージョンアップにより解決しています。たとえば、販売当時マイク音質が非常に悪いと噂になっていましたが、私が購入した時点では特に問題はありませんでした。しかし、OSのバージョンアップをするとVirtualDesktopが使えなくなるという不具合が2023年1月16日時点で発生しています。
VirtualDesktopをメインの接続手段としているユーザーからしたら致命的な不具合です。Quest2と比べるとソフトウェア面の機能が少ないため今後のアップデートで機能追加がされると思いますが、アップデートと一緒に不具合が発生する可能性は高いと思います。2年以上ソフトウェアアップデートが繰り返されてきて既に機能が充実してるQuest2と比べると、ソフトウェアの安定性という点ではまだ不安があります。
【2024年2月28日追記】
こちらの内容も過去形になったと思います。現時点では、Pico4に致命的なソフトウェアの不具合もなくなりました。また、Pico4単体でのVRChatアプリもリリースされています。Questのほうがよりソフトウェアアップデートによる先進的な機能追加が多く、将来性は感じますが普通に使う分にはPico4も悪くないと考えます。
まとめ:Pico4はおススメできるけど100点ではない。。。
振り返りになりますがQuest2と比べたPico4のメリデメは下記の通り。
メリット | デメリット |
つけごこちがいい HMDの近くでもトラッキングが切れない 画質がきれい | VR飲みがしづらい 周辺機器が入手しづらい ソフトウェア面でまだ不安あり |
まとめるとPico4はいいHMDだとおもいます。一番期待していた画質の面でQuest2より明確に良かったので、個人的には買ってよかったとは思います。ただ、VR飲みがしづらかったり、販売からの期間が短いが故のデメリットもあることから、手放しで誰にでもおススメできるかというと怪しいです。また、Metaを応援したいという個人的な気持ちもあるので、早くQuest3が発売されてほしいところです。
【2024年2月28日追記】
販売されてる周辺機器が少ない問題やソフトウェアの不安は2024年2月現在では、問題ないと考えてよいと思います。そのため、お勧めできるヘッドセットだと思います。より高価で新しいQuest 3 よりは見劣りしますが、Quest2よりPico 4のほうがお勧めです。
各ヘッドセットを比較した記事を書きましたので、ヘッドセットの比較をしたい方は、下記の記事も読んでみてくださいね。
こぼれ話①: Pico4 と Quest2を VirtualDesktopで併用するメリット
Quest2とPico4を併用する場合、どちらもVirtualDesktopで接続するのがおススメです。VRChatを起動しながらヘッドセットを付け替えることができます。
以下の流れで付け替えることができます。(Pico4 →Quest2に付け替える場合)
①Pico4でVRChatをプレイ中(HaritoraXも使用)
②Pico4側のVirtualDesktopを終了する(VRChatやSteamVR、HaritoraXはそのまま)
③Quest2のVirtualDesktopを起動しPCと接続する
→キャリブレーションすら必要とせずにそのままVRChatができる
この付け替えに要する時間は1分程度なので電池がなくなったらHMDを交換するという荒業が簡単にできます
コメント