グラボなしのCPU内蔵グラフィックだけでVRChatを遊んでみました。その記録を記事にします。
動作環境
OS | Windows11 Pro |
CPU | Ryzen 7 8700G |
GPU | Radeon 780M(CPU内蔵) |
メモリ | 32GB (DDR5-6000) |
HMD | Quest 3 |
HMD⇔PCの接続方法 | Virtual Desktop (ver 1.30.5) |
片目当たり解像度 | 2446 x2592 or 1440 x1536 |
HMD Hz | 90 |
SteamVR SS設定 | 100% |
VRChat MSAA(Multisample Antialiasing) | none |
平均fpsと所管
Virtual Desktop 画質設定 | 片目当たり解像度 | プレイ時間 | 平均fps | 所管 |
High | 2446 x2592 | 96 分 | 15.61 | ちょっと移動するだけ酔う。鏡の前で移動しなければ割と快適だった。 |
Poteto | 1440 x1536 | 62 分 | 40.84 | 明らかに世界の輪郭がガタガタしている。移動しない場合は、High設定のほうが酔いにくい印象だった。 |
どちらの状況もフレンドオンリーインスタンスに5人~10人ほど人がいる状況でした。画質設定をあげて片目当たり解像度を引き上げると、fpsがかなり低くなりますが、10fps を下回ることはありませんでした。また、このプレイ時間ではクラッシュすることもなく安定していてfpsが低い以外は問題ない印象でした。
Poteto設定だと鏡で見た自分の姿が非常にジャギジャギでした。ちょっと遠い場所にある文字は全く読めません。鏡の設定をUnlimited にしても全く差がわかりませんでしたので、鏡の設定ハーフまで下げて遊びました。
余談ですが、Poteto設定で遊んでいる際、鏡に映っている自分のアバターを Very Poor から Poor のアバターに変えるとfpsが20 向上しました。普段のプレイ環境だとアバター1体の負荷でそこまでfpsが変わることはかなり稀です。今回のように性能が低いPCだと、アバターの負荷軽減はかなり効果が大きいようです。
ほかのPC環境と平均fpsを比較した表です。一番下の2つが今回の8700Gの結果です。 片目当たり解像度をほかのPCと同様の水準にすると全く歯が立ちません。ただし、画質設定を落としてあそぶと、グラボを搭載したPCと近いfpsを出せることがわかります。画質を犠牲にすることである程度遊べるとはいえるのではないでしょうか。
VR用途に8700G はお勧めはできない
ある程度パフォーマンスが出せることはわかりましたし、動作もある程度安定して動くことがわかりましたが、あまりお勧めはできません。
VR用途で遊ぶ場合は、BIOSの設定が必須
8700Gは、グラフィック用のメモリ(VRAM)をメインメモリから割り当てて動きます。デフォルト設定だと512MBしかグラフィック用のメモリが割り当てられません。デスクトップモードであればある程度動作しましたが、VRChat をVRモードで起動させてもまともに動きませんでした。BIOSの設定を変更し、メインメモリからVRAMに割り当てる量を指定し、VRAMの量を増やすことでやっとまともに動くようになります。
なお、割り当てるVRAMは最大で16GB増やすことができます。VRChat用途のグラボはVRAM容量が重要だと言われていますので、これは大きなメリットに見えると思います。ただし、実際のところは単純な性能が足りないため、VRAM容量が幾らあってもそれを生かすことができません。
価格メリットが薄い
グラボなしでゲームができるため、これだけ買えばゲームができるPCになるという点でコスパがよく見えるかもしれません。ただ、VRChatをVRモードで遊ぶのであれば、上記の設定でメモリを多めに割り当てる必要があるため、最低でも32GBのメモリを購入するべきです。また、内蔵グラフィックの性能はメモリの速度性能にも依存するため、速度が速く高額なメモリを買わなければ今回の検証ほどの性能もでません。一般的に安くゲーミングPCを組む場合は、メモリは16GBサイズかつ、速度もそれほど早くないものを購入します。メモリの容量はゲームにもよりますが、ゲームのレスポンスに影響を与える度合いとしては低めなためです。例えば、2024年8月13日時点のメモリ価格を比較すると、下記の通りになります。
メモリ容量・速度 | 価格.com 最安値(2024年8月13日時点) |
32GB DDR5-6000 | \16,300 |
16GB DDR4-3200 | \4,136 |
より良いメモリを買って今後に使いまわすということを考えるのであれば、この差額を許容してもよいと思います。ただ、安くPCを用意するということを目的に8700G を買うのであれば、メモリが結局高くつきます。ほかのCPUと安いメモリ、グラボを組み合わせたほうがコスパは高いでしょう。今後の価格変動次第ですが、少なくとも2024年8月時点ではVRChat用PCに選ぶCPUではないでしょう。
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