RTX 5070 VRChat性能徹底レビュー!12GB VRAMでどこまで戦える?

VRChat動作検証結果

「RTX 5070」を入手しました!VRChat用途での実力、特に懸念されがちな12GB VRAMでどこまで快適にプレイできるかも含め、徹底レビューします。

RTX 5070 のスペック

VRAMが12GBであることから、VRChatでどこまで戦えるかが焦点となりますが、上記のGPUとの比較も含めてみていきます。

今回のレビュー機種・検証環境

玄人志向 GK-RTX5070-E12GB/WHITE/DF

Amazon.co.jp

※当サイトはAmazon アフィリエイトに参加しています。収益は検証機材の調達に利用しています。

今回は、玄人志向から販売されているGALAKURO ブランドのRTX 5070をレビューします。これは2連ファンのコンパクトモデルであり、冷却性能はそこまで高くなく、静穏性も控えめです。ファンの音ははっきり聞こえてくる程度です。外観はややチープな印象で、RGBファンも目立つほど綺麗ではありません。しかし、RGBファンの発光ON OFF をグラボ側面にあるスイッチで選べるため、V睡中にパソコンがギラギラ光るのを避けたいVRChatter には嬉しい機能です。専用のソフトウェアを導入しなくてもLEDのON/OFFを制御できるため、非常にわかりやすいです。なお、玄人志向は、V-ket にも出店実績のある企業でVRChat ユーザーにとっては意外と身近な存在です。3年保証の安心感もあるので、他メーカーと迷った人は是非GALAKURO グラボを購入して、玄人志向を応援してほしい。

検証環境

今回の検証は、筆者のサブ機兼検証機で実行しました。OSはクリーンインストールで環境を構築し、Ryzen 7 9700Xは105Wモードで稼働させています。

検証結果

高画質設定(GodLike)で VRChat にログイン 

非常にGPUに負荷がかかる高画質設定で、VRChatにログインしました。Safetyもカリングの設定も一切なしであり、非常に無防備で負荷が高くなりやすい設定です。一般的にはこれらの設定は解除すべきではなく、テスト用の設定である点も留意ください。

パブリックインスタンスでの会話、イベント参加、フレプラインスタンスでの雑談といった、一般的な利用シーンでの結果を記載します。

一般的な利用シーン①(ひまり旅館 パブリックインスタンス・50人)

ほぼフルインスタンスの「ひまり旅館」パブリックにJoinしましたが、CPUボトルネックが発生し、GPUの性能は全く活かせない状態でした。ダウンロードサイズが50MB前後の比較的重いアバターが5人ほどいる部屋に入っても、引き続きCPUボトルネックの状態が続きました。なお、これらの重いアバターを視界に入れた状態ではVRAM使用量が11GB前後を推移しましたが、VRAM不足に起因するパフォーマンスの低下は発生しませんでした。非常に高い片目あたり解像度設定であるためVRAM使用量は高い水準を推移しましたが、特に問題なく会話を続けることができました。非常に高めの片目当たり解像度かつ、SafetyもカリングもかけずにVRAM枯渇が起こらなかったのは、区画が区切られている「ひまり旅館」のワールド仕様によるものかもしれません。

一般的な利用シーン②(学術,技術系パブリックイベント・35人程)

学術・技術系パブリックイベントにJoin した際も、CPUボトルネックが発生し、GPUの性能は全く活かせない状態でした。VRAMも9GB前後を推移し、集合写真撮影もフルHD設定であれば快適に連射撮影できました。ただし、学術、技術系イベントの参加者は、一般的なVRChatユーザーと比べて圧倒的にアバターが軽い点に注意が必要です。アバター集会や衣装集会など、多数の衣装を組み合わせた改変ユーザーが集うイベントでは、VRAM使用量がさらに多くなるため、同様の結果にはならない可能性があります。

一般的な利用シーン③(フレプラ・10人程)

比較的GPU負荷が高いワールドでチルした際は、GPU負荷が高くRTX5070の性能が活きる状況でした。VRAM使用量は3人だけの際は8GB、10人ほどに増えた際は10GBまで上昇しました。常時GPUは100%稼働で、3人だけの際は 45fps前後、10人ほどに増えた際は 30fps 前後まで落ち込みました。RTX4090 の筆者メイン機と比べて1段階低いfpsになってるとは感じるが、十分に高いfpsが維持されていた印象です。

余談 CPUボトルネックに陥りやすい最近のVRChat

Ryzen 7 9700X は X3Dがつかないゲーム用CPUとしては現時点で最高級のCPUです。人数が多いインスタンス(おおよそ目安15人以上)ではX3Dは意味をなさないことが過去の検証からもわかっているため、現時点でこの世界にこれ以上のVRChat用CPUは存在しないともいえる。そんなRyzen 7 9700X で激しいCPUボトルネックが起きるのだから、非常に人数が多いパブリックワールドにいる際はアバターカリング設定を活用したほうがよいでしょう。視界に映っていないアバターが大量にいる分、GPUには負荷がなくても、CPU側には負荷がどうしても高くなります。ごくごく当たり前のことを言ってるようにも思えるが、VRChatの設定は正しく使うべきですね。

一般画質設定(High)でVRChatにログイン①

GPU負荷を比較的抑えた設定でVRChatにログインしました。Safetyもカリングの設定も一切なしであり、非常に無防備で負荷が高くなりやすい設定です。一般的にはこれらの設定は解除すべきではなく、テスト用の設定である点も留意ください。

パブリックインスタンスの徘徊、フレプラインスタンスで雑談といった、一般的な利用シーンでの結果を記載する。

一般的な利用シーン①(ポピ横 パブリックインスタンス・55人)

55人ほどのユーザーがいる「ポピ横」パブリックインスタンスにJoinしました。特に目的もなくパブリックをふらふらしました。fpsはおおよそ50fps 前後でした。また、Saftey None 設定であるため途中で視界ジャックを浴びることになりました。視界ジャック中はGPU負荷が高くなったが fps 35 以上を維持できていました。VRAM使用量も視界ジャック発動中は11.3 GBまで増加し、限界ギリギリまで使用することになりましたが、通常状態に戻った際はVRAM使用量は10.0GB まで減少しました。Safetyやカリング設定を解除しているにもかかわらず、VRAM枯渇は発生しませんでしたが、これは比較的軽めのアバターが多い状況だったためでしょう。

一般的な利用シーン②(ホームワールド フレオンインスタンス・5人)

比較的軽量な筆者作成のホームワールドで5人のフレンドがミラー前にいる状態でも、85 fpsだった。VRAM使用量は9GB以下を推移しました。CPUがボトルネックになっている部分もあり、9800X3Dとの組み合わせであればもっと高いfpsが出ていたでしょう。ただし、充分高いfpsであり非常に快適な状況だした。

一般画質設定(High)でVRChatにログイン②

GPU負荷を比較的抑えた設定でVRChatにログインしました。この設定で写真撮影を行いました。

写真撮影(Virtual Lens2 x8 アンチエイリアス設定&4K撮影)

自分1人のインスタンスで、おはつい用写真の撮影をしました。カメラギミックとしては、「Virtual Lens 2」 をx8 アンチエイリアス設定・4K撮影設定で使用していました。30fps程度の低いfpsにはなりましたが、VRAM容量が10GBを超えることもなく撮影に支障はありませんでした。4Kで写真撮影を続けても急激なfpsの変動は一切感じられず連写も快適でした。

VRCMark v2  他GPUとの比較

VRChat - Home
VRCMark v2 by Hellcat|へるねこ - a virtual reality world on VRChat

VRChat上で作成されたベンチマークワールド、『VRCMark v2』 のデータを取得しました。また、 筆者が運営しているクローズドコミュニティ『VRChat 機材研究部』でメンバーに協力いただき、様々なPC構成の結果も収集しました。『VRCMark v2』にはGPU負荷を測定するG1・G2のテストシーンがあるが、そこで取得した平均fps(Average fps)の値を使って比較を行いました。なお、CPUやその他の条件を同一にそろえて検証ができているわけではありません。しかし、CPUボトルネックが発生している可能性があるデータは除外しているうえに、ラスタライズ性能の数値とおおよその相関があることから、大きく誤った数値ではないと推測できます。

同世代GPUとの比較)RTX 5060 Ti を大きく上回るfps

結果としては概ね期待通り、RTX 5070 は RTX5070 Ti と RTX5060 Ti のちょうど中間程度の fpsとなった。 現在、RTX5060 Ti 16GB モデルと RTX5070の価格差はおおよそ1万円である。VRAMが少し少ない点は考慮すべきポイントではあるが、20fps 以上高いfpsを発揮した点は評価できるでしょう。VRAM帯域幅の広さやCUDAコア数の増加に比例してしっかり、VRChat においても性能が出るのでしょう。

旧世代GPUとの比較)RTX4070 Ti Super を上回る”逆転勝利”

Ada Lovelace世代(RTX 4000シリーズ)との比較では驚くべき結果となりました。RTX 5070は、単純な演算能力で劣るはずのRTX 4070 Ti SUPERを上回り、より高いFPSを達成したのです。

両モデルはVRAM帯域幅は同一ですが、RTX 5070のCUDAコア数はRTX 4070 Ti SUPERより約2割少ないにもかかわらず、この結果となりました。

👆の図は、浮動小数点演算能力とG1の平均fpsをプロットしたグラフです。Tflops の値はRTX4070 Ti Super のほうが、RTX5070と比べて1.5倍近い値です。カタログスペックだけ見ると、RTX 5070が RTX4070 Ti Super に勝てる要素はなさそうに見えますが、実際の計測値としては、異なる結果となった。

何かの測定ミスを疑い、複数回測定したが特に上振れしている様子はなかった。RTX4070 Ti Super のデータも2名のユーザーから送られてきた結果が全く同一のfpsだったため、こちらが下振れている可能性も低い。さらに同様の逆転勝利現象は、PC検証サイトの「ちもろぐ」さんでも報告されている。(以下参考URLリンク)そのため、このデータは計測ミスではなく、何かしらRTX50シリーズ特有の技術的な改良に基づくものと考えられると推測しています。

RTX 5070ベンチマーク:RTX 5060 Ti(16GB)どっちがいいか性能比較レビュー【差額1万円】 | ちもろぐ
発売当時12万円だったせいで初動大コケのミドルクラスGPU「RTX 5070」が、ようやく8~9万円台に。下位モデル「RTX 5060 Ti(16GB)」から差額1万円です。1万円ちょっとの差額なら、RTX 5070に行った方がいいか、それ...
(余談)RTX 50 シリーズがVRChatに有利な理由を説明する2つの仮説

せっかくなので、RTX 5000 シリーズの技術資料を読み込んだところ、今回の逆転現象を説明する理由として、2つの仮説が浮かび上がりました。ただ、この内容はGemini AI と相談しながら出てきた内容であり、詳細は検証が必要です。あくまで仮説の読み物として読んでいただきたい。気骨がある読者がいれば、これを是非詳細に調査、検証もしてみてほしいです。

(仮説) 「AI Management Processor (AMP)」によるHAGS の効率化

Blackwellアーキテクチャ(RTX 5000シリーズ)は、HAGSをさらに有効に機能させるための専用RISC-Vプロセッサ「AMP」をGPUダイ上に物理的に搭載しました。これまでは、HAGSをオンにしても、処理を受け持つ専用回路がないため、CPUとドライバが依然として命令のスケジューリングに追われ、VRChatの大量のドローコールを処理しきれていませんでした。対して、Blackwell 世代のRTX50シリーズには 「AMP」がCPUに代わってスケジューリングをハードウェアで肩代わりする。その結果、VRChatのUGC(User genected content)ゆえに最適化が難しくドローコールが多くなる状況において優位に働いたのではないかという仮説でした。

この仮説の検証をするため、HAGS ON・OFF で fps が変わるかを『VRCMark v2』で確認しました。結果としては、なんとも煮え切らない結果になった。RTX5070 において、HAGS をONにすることで、fpsの向上が確認できたが、RTX4090 でもHAGSのONでfps向上が確認された。そのため、「AMP」によるfps向上の効果があるかは、断定ができず、まだ仮説どまりとなりました。

(仮説)「Streaming Multiprocessor(SM)」の設計変更

Ada LovelaceのSM(Streaming Multiprocessor)は、FP32(浮動小数点演算)とINT32(整数演算)の実行ユニットが分離・制限された構造でした。Unityエンジンが生成するシェーダーコードは、グラフィックス処理(FP32)とロジック処理(INT32)が複雑に混在する傾向があり、Adaの構造ではINT32処理待ちによるFP32ユニットのアイドリング(遊び)が発生し、コア数通りの性能を発揮できていなかった可能性があります。

一方、BlackwellのSMでは、CUDAコアがFP32とINT32の双方を柔軟に実行できる「完全統合型」へと設計が刷新され、INT32のスループットが実質倍増しています。これにより、VRChatの複雑なギミックやUdonロジックを含む「混合ワークロード」を効率的に消化できるようになりました。結果として、カタログスペック上のコア数が少ないRTX 5070であっても、稼働率と処理効率の高さによって、実効性能でRTX 4070 Ti Superを上回る現象が発生しているという仮説である。

これについては検証をするすべがないと思われるため、仮説の域をでないものだ。Unityに深く精通した方であれば、この仮説に対して解をだせるのだろうか。もし解を出せるのであれば是非とも調査をお願いしたいところだ。

まとめ)RTX 5070は 選択肢に入れるべき

順当に RTX5070 Ti に次ぐ fpsの伸びがあることや最近は価格がこなれてきたこともあり、RTX50シリーズは全般的にお勧めできるGPUでした。RTX 5070 はVRAMが12GBしか搭載しておらず、VRAM容量を気にするVRChatユーザーから嫌煙されがちであるが、筆者が確認した範囲ではVRAM枯渇による問題は起きませんでした。たったの1万円程度の差額で明確にfpsが高くなるメリットもあるため、充分検討に値するGPUだと考えます。VRAMを大量に使うことが予想される「アバター集会」「衣装集会」などの改変にまつわるイベントによく出入りする人は、VRAMが多いRTX5060Ti 16GB モデルがお勧めです。しかし、そこまで大人数のインスタンスに出入りせず比較的少人数で遊ぶことが多いのであれば、RTX5070は1段階高いfpsを発揮してくれる良き相棒になるのではないでしょうか。

是非とも、VRAM容量で足切りをせずに購入の選択肢に入れてみてほしい。

5060Ti が気になる方は、こちらの記事もどうぞ

タイトルとURLをコピーしました