今回も測定結果のデータをいただきましたので記事にします!
動作環境
PC | Windows10 Pro |
CPU | Ryzen 7 5800X3D |
GPU | Radeon RX 7900 XTX |
メモリ | 32 GB |
HMD | Index |
HMD⇔PCの接続方法 | DisplayPort |
片目当たり解像度 | 2468x2744 |
HMD リフレッシュレート | 90 Hz |
VRChat Graphics Quality | High |
VRChat MSAA(Multisample Antialiasing) | x2 |
今回は上記構成のPCで遊んでいる みみー さんにデータをいただきました。ありがとうございます!みみーさんは Block Poorly Optimized Avatars:Very Poor 、Max Avatar Download Size :50MB にしたうえで、フレンド全員をShow Avatar する運用で遊んでいるとのことでした。
測定方法
fpsの数値はfpsVRを用いて測定します。自動的に保存される記録を使います。詳細は下記の記事で解説している方法です。
測定結果
平均fps
今回いただいた測定データは ログイン7回、合計プレイ時間17時間です。全体を通してのfpsは81.34 と高い水準です。ほとんどの場面でHMDのリフレッシュレート上限の90Hzで貼りつていたと思われます。 なお、みみーさんに測定時の状況を確認したところ、インスタンスの人数が10人以下の状況がほとんどだったとのことでした。セーフティの設定も厳しめかつ、人が少ないため負荷がかかりにくい状況だったようですが、それでもログインセッションによっては、74fps まで落ち込んでいるようですので、この構成とこの環境でもfpsの落ち込むことはあるようです。
Frame Time
Frame Time の中央値が8.3 ms を超えたのは、7回のセッションのうちCPUが 1回のみです。またグラフをみていると全体的にCPUのFrame Time 中央値はGPUのFrame Time と比べて低い水準を保ってることがわかります。みみーさんの設定と遊び方の場合、Radeon RX7900XTXでも若干GPUがボトルネックになっているようです。
また、本来はfpsの低下に伴い中央値が上がるのが自然であるにもかかわらず、74.24 fpsのセッションをみると、中央値の値がほかのセッションより低いという結果になっています。ですので、より詳細にこの時のセッションのfpsVRのグラフを下記に記載します。また、比較として2番目にfpsが低かった76.06fpsのときのグラフも併せて記載します。
上記の二つのグラフは、fpsVRでみることができる詳細なFrameTimeの分布です。どちらの場面もCPUのFrameTimeを示す線が横に薄く長く伸びており、CPUがボトルネックになっていた場面が多いことがわかります。ただ、私の記憶では、このように横に満遍なく線が伸びるようなグラフはあまり例がなく、山が複数あるようなグラフが多くあった印象です。5800X3Dは急激なfpsの低下が少ないCPUだという噂を耳にしていますが、その傾向がこのグラフの平坦な線の伸び方に表れているのかもしれませんね。
他データとの比較
fpsの比較
過去にほかのユーザーさんからいただいた平均fpsのデータとの比較棒グラフです。今回のみみー さんにいただいたデータはオレンジ色の棒です。今回も人によって遊び方や設定が全く異なるため、厳密な比較にはならないことは心にとめたうえで見ていただきたいのですが、90Hz動作のHMDのなかでは最も平均fpsが高い結果となりました。おなじくRyzen7 5800X3DのRenioさんの構成と比べても+6fps と高めのfpsが出ています。
コスパの比較
2023年5月5日時点の価格.com の最安値をもとに1fps 当たりのCPUとGPUの合計コストを算出しました。このグラフに関しても人によって遊び方や設定が全く異なるため、厳密な比較にはならないことは心にとめたうえで確認ください。
今回のみみーさんの構成はハイエンド構成ではありますが1fpsあたりのコストは2,505円です。ミドルクラス帯の構成と比べると高いものの、他のハイエンド構成の環境と比べて安い費用になっています。5800X3D・RX7900XTXの両方がここ数か月で値下がりが起きていることから、よりコスパのいい魅力的な組み合わせになっているように思います。
まとめ コスパ良好・高いパフォーマンスで魅力的なALL AMD構成
今回もコスパ良好・高いパフォーマンスの素晴らしい構成のデータでした。CPUもGPUもAMDのPCについて記事にするのは今回2件目ですが、どちらも高いパフォーマンスを発揮しているだけでなく、比較的コスパがよい構成のようにみえます。AMDのRadeonブランドのグラフィックカードは一部のHMDはそもそも接続できない、BakeryなどのUnityソフトが使えないなど、人を選ぶグラボではありますが、うまくハマればコスパ良好で高いパフォーマンスを発揮してくれそうです。個人的にも検証用に1台欲しいところです。。。
2023/06/10 追記 追加測定結果
より多くの人もいるインスタンスで遊んだ際のデータも含め追加でデータをいただきました。
平均fps
人が多いインスタンス(30人ほど)に何度か行ったうえに、パフォーマンスランクによるアバター非表示機能をOFFにしていた場面が多かったとのことで、それによって大きくfpsが落ち込んでいました。
Frame Time
fpsがおちこんでいる場面では、CPU Frame Time の中央値が大きく上がっています。平均fps(57 fps)だった場面では、 中央値があまり高くでていませんが、fpsVR では30 ms 以上のFrameTimeのデータは取得できない仕様のようですので、それが影響している可能性があります。
上のグラフは平均fps 66 のセッションでのFrame Time の分布を表したグラフです。今回もCPU Frame time の線が横に平たく伸びていますね。以前のデータと比べて22ms以上の割合が少しありますね。”22ms”は 45Hz を維持するのに必要な Frame Time の値であることから、SteamVR の MotionSmoothing がこのグラフの形に関係していると推察されます。22 ms を超えてくるとフレーム補完をしても fps 90 を維持できない水準ですのでCPUの性能が足りていないことが分かります。非常に優秀なゲーム性能の5800X3Dでも人が多くなると性能不足になる場面は発生するようですね。
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