先日、Virtual Desktop と AirLinkを比較した記事を掲載しましたが、限定的な場面での比較でした。今回は、フレンドさんにご協力いただいて、普通に遊びながらのパフォーマンスがどれだけでてるかを測定してもらいました!
動作環境
PC | Windows10 Home |
CPU | Ryzen 7 3700X 8-Core Processor |
GPU | RTX3070 |
メモリ | 32GB |
HMD | Quest2 |
HMD⇔PCの接続方法 | Air Link Virtual Desktop |
片目当たり解像度 | Air Link 2064x2096 VirtualDesktop (High設定) 2544x2544 |
HMD fps | 72 |
SteamVR SS設定 | Air Link 自動(最大2528x2568) VirtualDesktop 手動100% 2544x2544※ ※重い場面では時折設定下げを実施 |
フレンドの”マグロの切り身”さんに協力いただきました!画質設定は私から指定させていただき、なるべくAirLink実行時とVirtual Desktop利用時で同じ条件になるようにして測定していただきました。
測定方法
fpsの数値はfpsVRを用いて測定します。自動的に保存される記録を使います。詳細は下記の記事で解説している方法です。
測定結果
平均fps
AirLinkとVirtual Desktop で遊んでいた直近13個のセッションについて比較していきます。ログイン毎に毎回ことなる遊び方をしているため、厳密な比較にはならないため全体的な傾向を見ていきます。
接続方法 | 平均fps | プレイ時間 | ログイン回数 |
Air Link | 49.50 | 60時間 | 13回 |
Virtual Desktop | 53.26 | 72時間 | 13回 |
平均fpsを比較すると VirtualDesktopのほうがAirLinkより4fps高い結果となりました。ログインセッションごとの平均fpsをみても、AirLinkのほうは50fpsを下回っている場面が13回中10回と多いのに対して、Virtual Desktopでは、13回中5回しかありません。あまり大きな差とはいえませんが、全体的にVirtual Desktopのほうがよいパフォーマンスを発揮しているようです。
GPU Frame Time
次にGPU Frame Time の比較を見ていきましょう
GPU Frame Time の各セッションごとのフレームタイムを並べました。全体的にみてVirtual Desktop利用時のFrame Timeが低くなっています。また、72Hzのfpsを維持するにはGPU Frame Time が13.9msを下回る必要があります。中央値の値が13.9msを下回ってるセッションがVirtual Desktopでは13回中11回であるのに対して、AirLinkは13回中3回しかありません。GPU負荷はVirtual Desktop利用のほうが有利な可能性が高そうです。前回記事の検証でVirtual DesktopのほうがVRAMの消費量が少ない傾向にあることが分かっているため、VRAMが枯渇しやすいRTX3070では、その影響が大きいのかもしれません。
CPU Frame Time
次にCPU Frame Time の比較を見ていきましょう
CPU Frame Time の各セッションごとのフレームタイムを並べました。GPUと同じく、Virtual Desktop利用時のFrame Timeが全体的に低くなっています。AirLinkはVirtual Desktopと比べてざっくり1.5倍ほどFrame Timeの値が大きく、CPUへの負荷が高い傾向がありそうです。そのため、CPU負荷に関してもVirtual Desktop利用のほうが有利な傾向があります。前回記事の検証でもAirLinkのほうがCPU FrameTime が高くなる傾向がありましたが、今回の測定結果でも同様の結果になりました。
使用者の体感はどう違うのか?
今回測定に協力いただいたマグロの切り身さんの体感としては、AirLinkと比べてVirtual Desktopはかなり軽い印象だったとのことでした。また、fpsVRで時々VRAM使用量を見ていたそうですが、Virtual Desktopのほうが段違いに少なかったとも伺っています。もちろんあらゆる場面で快適になったわけではなく、人が多い場面などSteamVRの解像度設定を下げないときつい場面はあったようですが、全体的に見てパフォーマンスの改善はかなり感じられたそうです。数字でみると平均fpsの差は4程度なので大きな差には見えませんが、体感への影響は大きいのかもしれませんね。
まとめ Virtual Desktopやはり優秀かも。。。
CPUもGPUどちらもVirtual DesktopのほうがAirLinkよりも負荷が軽く、fpsがより高くでる傾向にあるようです。中の人はVirtual Desktopを推していますが、今回の結果からさらに推せるソフトだといえるようになったのではないでしょうか。最近のアップデートでビットレート設定が400Mbps を選べるようになったり、色がより綺麗に見えるHEVC+ という映像圧縮方式が選べるようになるなど、さらに進化が進んでいますので、Virtual Desktopの今後の動向にも注目です。
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